10日間100時間のヴィパッサナー瞑想
朝の4時から起きて瞑想が始まり、21時まで1日10時間の瞑想が続きます。
まさに瞑想三昧の10日間です。
どんなスケジュールで進んでいくのか、
私の体験談も含めてお伝えします。
『ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門 豊かな人生の技法』
何度も書いていますが、
ヴィパッサナー瞑想に参加する前には
ゴエンカ氏の本を読んでから、ご参加になられる事をお勧めします。
せっかくの10日間です。
一度、ヴィパッサナー瞑想の知識を下準備されてからの参加の方が
より理解が深まると思います。
読まずにいくのは、本当に勿体無い事だと思います。
瞑想のスケジュール
さてさて。
ヴィパッサナー瞑想について質問される事も多いので、
気になっているのだなぁと感じています。
どんなスケジュールで10日間100時間の瞑想をするのか…
過酷な日程をお伝えしたいと思います。
4:00 起床
初日のミーティングの時に、古い生徒の中で朝の鐘を鳴らす人を選びます。
ヴィパッサナー瞑想中はおしゃべり禁止ですから全て鐘でお知らせしてくれます。
4:00になると鐘がボワーン、ボワーンと鳴り始め、皆黙々と着替えたり準備を始めます。
朝のシャワーを浴びる人もいます。
朝4:00に起きられるか不安だったのですが、
ほとんどの人が3:45〜4:00の間に目覚ましをかけているので、
絶えずピッピッピッピッとアラームが各所で鳴り始めます。
私は朝がめっぽう弱いのですが、自然と毎日4:00前に起床していました。
準備ができた人から瞑想センターで瞑想を始めます。
4:30〜6:30 朝の瞑想
4:30から瞑想を開始…
準備が早い人はそれ以前から瞑想を始めています。
そして6:30に終了の鐘が鳴り響きます。
前日の夜の講話でゴエンカ先生が翌日の朝から、
このように瞑想をしなさいと指示をして講話が終了になっています。
なので4:30からの瞑想は特にテープを聞く事なく瞑想を始めます。
そして2時間の瞑想。
この朝の瞑想が私は苦痛で仕方がなかったのです。
寝て起きたばかりなのに眠い…
何とか2時間を過ごすのですが、
ある時点で講師の先生がやって来る気配を感じます。
そして、そろそろ瞑想が終わるかなぁ…と感じていると
ゴエンカ先生のメッター(お経のような歌)が流れ始めます。
何となくそういった音楽が流れると、
そろそろ2時間の瞑想も終わりに近づいているのかな?
なんて淡い期待が心の中で動き始めるものです。
しかし!!
そんな思いとは裏腹にメチャクチャ長いゴエンカ氏の歌…
まだ終わらない…まだ終わらない…うぅ〜〜〜〜。
と心はかき乱されて
超絶イライラする時間を過ごす事になるのです。
そして10日間、毎日このゴエンカ氏のメッターを聞く度に
イライライライラしていた前半の日々から
後半の日々は心が穏やかに
メッターを聞く事が出来るようになっていく事に気付きます。
しかし今、思い出してもメッターを聞く事が辛かったという思いが焼き付いて、
心に刻まれてしまっています。
6:30〜8:00 朝食と休憩
やっと終わった朝の瞑想の後は朝食タイムです。
白米、玄米、パン、お味噌汁、プルーン、バター、ジャム、梅干し、すりごま、黒ごまペースト
ざっとこんな感じのものが並んでいるので
各自取り分けて黙々と食べます。
私は少量の白米にすりごまをかけたものと
パンにバターとジャム、黒ごまペーストをつけて食べていました。
食べたものによって、体の調子が変化し、
それが瞑想の集中と関わって来るので最初の何日かは試行錯誤でした。
最初は玄米にお味噌汁、梅、すりごまという組み合わせだったのですが、
この時の私にとっては玄米がお腹に重くて仕方ありませんでした。
なのでヴィパッサナー瞑想中、玄米を口にすることを好みませんでした。
逆に普段、トーストを食べる事がほとんどなかったのと、
トーストにジャムをつけるなんてこともしないのですが、
この瞑想中には糖分をとても欲していました。
なのでトーストにたっぷりのジャムや黒ごまペーストをかけて
糖分を体に補給すると体がとても楽でした。
しかし8〜9日目になると、そんなにジャムや黒ごまを欲しくなくなり、
心の状態と体の状態が変化した事に気付きました。
朝食も30分位で食べ終わるので、
残りの時間は歯を磨いたり、洗濯をしたり、お散歩したり…
自由に過ごす事ができます。
10月の茂原はお天気もよく、朝露で足元がちょっと濡れつつも、
気持ちの良い空気を感じる事ができました。
8:00〜9:00 ホールにてグループ瞑想
1時間の瞑想の時は必ずホールで瞑想をしなければなりません。
この1時間は決意の時間として、できる限り体を動かしたりせず瞑想に励まなければなりません。
足を組み替えたり、立ち上がったりせず、一つの姿勢をキープしながら瞑想を行います。
正直、1時間全く動かないのは本当に辛い事です。
体がしびれたり、痛んだり。それを受け入れなければならないわけです。
9:00〜11:00 ホール、もしくは自分の部屋で瞑想
2時間の瞑想の時はゴエンカ氏の瞑想の手引きがあったり、
講師の方が各自に瞑想の指導をして下さいます。
その後、ホールで瞑想しても良し、各自のベッドがある場所でしても良し。
自由に選ぶ事ができます。
私は個室ではないベッドで瞑想をするのは、あまり集中できませんでした。
なので1時間だけベッドの上での瞑想を試した後は全て瞑想ホールで瞑想を続けました。
瞑想ホールでは瞑想しやすい空間を作ってくれています。
他の方の集中を感じる事もできるので私にとっては瞑想しやすい環境だったと思います。
逆にベッドの上で瞑想した時は、正直、お部屋に戻っている人たちの方が
ザワザワとした雰囲気だったので気になって集中しづらかったです。
11:00〜13:00 昼食と休憩
お昼ご飯は一番ボリュームのあるお食事が出ます。
同じような食材でも、毎日工夫をして色々なテイストになるよう作ってくれていました。
和食、中華、イタリアン、カレーと様々なお料理が提供されます。
もちろん肉や魚は使用されていません。
ほとんどのものが美味しかったのですが、どうしても美味しくなかったのはうどん。
しかし、瞑想の期間中は瞑想だけに集中できるよう食事の用意もしてくれ、
食材も提供されるのですから出されたものを丁寧に頂くのはとても大切なこと。
文句を言ってはいけないのだけれど、うどんだけは美味しくなかった!!
昼食の時間の後はたっぷり時間があるので、
日向ぼっこをしたり、お散歩したり、洗濯をしたり…
それぞれが時間を思い思いに過ごします。
13:00〜17:00 瞑想3セット
・13:00〜14:30 ホール、もしくは自分の部屋で瞑想ホールにてグループ瞑想
・14:30〜15:30 ホールにてグループ瞑想
・15:30〜17:00 ホール、もしくは自分の部屋で瞑想
この午後の瞑想3セット。とにかく長い…
13:00〜の瞑想の時にはゴエンカ氏のレクチャーが入り、
瞑想の次のステップについて説明されます。
毎日、ステップバイステップで瞑想の深い部分へと進んでいきます。
17:00〜18:00 ティータイム
古い生徒はお茶だけの時間になります。
確か豆乳もダメだった気がします。
新しい生徒はフルーツとポップコーン、お茶を頂くことができます。
ここでも食べる量を間違えると次の瞑想の時に集中できなくなったりするので注意が必要でした。
フルーツは一人分の量が決まっています。
ポップコーンは必要な分だけ取ることができるので、
たくさん取るとお腹に溜まって次の瞑想の時に眠くなります。
少なすぎると夜中にお腹が減りすぎる…
食べる量…取る量…体と相談しながら、
そして残さないように頂く量というのが毎回難しかったです。
18:00〜19:00 ホールにてグループ瞑想
最後の一踏ん張りの瞑想タイム。
最後の1時間と思うと結構集中できる時間です。
19:00〜20:15 講話
毎日瞑想だけを行うのではなく、
ゴエンカ氏の講話を聞き、道徳心を得る必要があります。
ひたすらテープの講話を聞くのですが、結構難しい内容です。
私はヨガ哲学を学んでいたのと、
事前に『ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門―豊かな人生の技法』という
講話の内容を書籍にしたものを拝読していたので、テープの内容を理解しやすかったです。
最終日に聖なる沈黙が破られ、他の参加者と話をすることができるのですが、
講話の意味が分からなかった、難しかったと言っている人が多かったです。
事前に本を読んでから行くのも瞑想しやすい環境を作るためには良いのではないかと私は思います。
講話の中では道徳心や、より良い生き方、苦しみとは、という事が解説されています。
20:15〜21:00 ホールにてグループ瞑想
講和を聞いた後の流れで瞑想に入ります。
1日の最後の瞑想です。
心穏やかに瞑想が終わることもあれば、
疲れてクタクタな状態で瞑想をし、
なかなか集中できないこともあります。
講和の最後には、明日以降の瞑想のやり方にステップを追加され、
その説明がされます。
1日の最後の瞑想の時にステップを追加しても良いし、
今日1日の瞑想を改めて確認しても良い時間です。
この瞑想の後、希望する生徒はホールにて質問をする事が可能です。
21:30〜 就寝
早々に寝る準備をしてベッドに入ります。
特にやることもないので、着替えをして横になるだけです。
なかなか寝付けず、隣の人のいびきや寝言が気になったりもするのですが、
それはそれで受け入れなければならないのです。
ひたすら瞑想三昧の10日間
このスケジュールを10日間繰り返します。
そして10日間の瞑想の中で色々な気づきや変化を感じ取っていくのです。
ゴエンカ氏も絶えず
「アニッチャー、アニッチャー」「変化し続けている、変化し続けている」
とおっしゃいます。
同じようなことをしているつもりでも一定のものは何一つなく、常に変化し続けています。
それを坐禅を組み、同じスケジュールをひたすらに続けながら感じ取っていきます。
苦しい時もあれば、楽に瞑想ができることもあります。
どんなこともただ受け入れ、手放す。
そこはヨガと同じだと感じます。